わん子飼い経験的10ヶ条


ワン子の全般的な飼い方やしつけについては、様々な本が出版され、インターネットなどからも情報が取れますので、ここでは、これまでワン子を飼った、個人的経験に基づく、失敗談・成功例などをまとめてみました。

これまで我が家では、スピッツの雑種、柴の雑種、ハスキーの雑種、ビーグル、W・コーギー・P、を飼った経験がありますが、ハスキーの雑種(まだ存命です)までは庭で放し飼いという昔ながらの日本人の一般的な犬の飼い方でした。初めての室内飼いは某ペットショップで見つけた男の子のビーグル犬で、この子はもう寿命を全うしましたが、初めての室内飼いということもあって、この子のしつけには本当に苦労しました。

ビーグルは小ぶりな中型犬で、ぴんと立った尻尾を持ち、一見可愛いのですが、立派な猟犬なので、かなりの運動量を必要とします。この子でまず悩んだのが夜鳴きでした。そのペットショップでは、諦めるまではどんなに泣いても決してダンボールから出してはいけないというのです。室内飼いの経験のなかった私は、いわれたことを忠実に守り、可哀想だとは思いながらも、どんなに子犬が懸命に泣いても3日間ダンボールに入れておきました。でも今考えると、これが先ずいけなかったのだと思います。(これに懲りて、利プリの時には寝室にケージを持ち込み、側で寝かせましたら、人間が寝るのを確認すると、鳴くことなく安心して自分もベッドに入りました。)


そこで教訓1
子犬を家に迎えたら、鳴かせるよりも、寝心地の良い、広めのケージを寝室に置き、慣れるまで同じ部屋で眠る方が、お互いの精神衛生上よい。

その後ありったけの愛情を込めてワン子に接したため、彼はトイレ等のしつけを難なくクリアし、予防接種も終わり、お散歩に出る様になりました。無駄吠えすることもなく、全てが上手くいくはずだったのですが、問題は彼が生後6ヶ月頃になり、運動能力や知能が高まってきたことから始まった事件でした。

家は共働きですが、私は家業の仕事なので、ワン子の留守番時間は午前2〜3時間、午後3〜4時間程度です。主人の仕事も相当時間的には融通が利きますので、出勤は午後からのことも多いのですが、それでもこのビーグルは最近よく聞かれるようになった「分離不安症」になってしましました。夕方家に帰ると、サークルにいるはずのワン子が玄関に嬉しそうに迎えに出ているのです。それを見た瞬間は、こちらも嬉しくなり「ただいま」と声をかけますが、ハテ?何でこの子が玄関にいるのだろう??? 次の瞬間ハッとして、慌てて家の中にはいってみると、家は惨憺たる有様なのです。大枚はたいて買ったオーダーカーテンは引きずり取られ、同じくレースのカーテンはボロボロ、敷いたばかりのウールの絨毯には、糞尿が撒き散らかされ、それをまた踏んづけて歩いた足跡もくっきり残っていました。その日は部屋の後始末で一晩かかりました。

翌日にはサークルに金網の屋根をして、仕事に出かけました。昼に帰ったときには大人しくしていたのですが、夕方帰ってみると、また彼は玄関にいて、立派な尻尾を振り振りしているのです。ゲッと思い、急いで部屋に入ってみると、またカーテンや絨毯はもちろんのこと、家中荒らされ、今度は台所のゴミ箱から全部ごみを引きずり出し、生ごみを食い散らかしていたのです・・・・。その後もこのワン子の壮絶ないたずらにはほとほと手を焼きましたが、この様なことから


教訓2
ワン子は必ず屋根つきのケージで飼うべし。ということをお勧めします。

次にうちに来たのが、ウエルッシュ・コーギー・ペンブローブの女の子でした。前回某ペットショップで購入したビーグルは、様々な先天性疾患を持っていたため、私達もワン子も大変な思いをしましたので、今度はきちんとしたブリーダーさんから購入しようと思い、某雑誌のブリーダーさんの広告を見て、友人と一緒に隣の県まで行きました。でもそこのワンちゃんは皆痩せた子犬ばかりで、今ひとつピンとこなかったのですが、お茶を出され、早くしないと希望者が他にも大勢いるといわれ、いつのまにか連れて帰ることに成っていました。

そのコーギーの女の子は、痩せてはいましたが大変顔が美しく、本当に頭の良いかわいい子でした。しかし、家に来て4日目あたりから食欲がなくなり、下痢をするようになったのです。5日目には吐き下し、血便が出て、おかしいと感じた私達は、翌日獣医さんのところへ行ったのですが、下された病名はパルボでした。

これだけ小さいと(当時2ヶ月)危ないかもしれない、やることはやるが後はその子の生きる力だけだと言われ、その子は注射を打たれ、一日点滴を受け、翌日には帰されてきました。私達は絶望のどん底にたたき落とされたような気持ちになりました。今考えれば、その動物病院は夕方には閉まり、獣医さんが帰ってしまい、入院設備もなかったので、もっと入院設備の整った大きな病院に行けばよかったと後悔していますが、当時はそんな病院を知りませんでした。

ぐったりしている子犬を引き取り家に帰って、ブリーダーさんに連絡すると、「エッ」と大変驚かれたようでしたが、「もし何だったら連れてきて下さい。」と言われました。私もパパも病気になったから直ぐに戻すということができず、パパは徹夜で看病しました。でも翌日も子犬は頻繁に血便を繰り返し、やせ衰えていきました。もう骨と皮だけの状態でも、目だけは大きくランランと輝き、まるで天使のような顔になっていました。パパは意を決したように、「もうこれはだめだと思う。とにかくブリーダーさんのところへ連れて行こう、あっちには母犬も兄弟姉妹もいるから、できるなら母犬のもとで死なせてやろう。」と言ったのです。私達はその夜ブリーダーさんに電話をして、車で約45分くらいかかるブリーダーさんのところへ行きました。

そのブリーダーさんはかかりつけの獣医さんを呼んで待っていてくれました。前回行った時には、多くのワン子で一杯だった犬舎にワン子は一頭もいなくて、犬舎は綺麗に消毒されていました。
もうぐったりして目をあける気力さえ失っていた子犬が、ブリーダーさんの奥さんの声を聞いた瞬間、キューンと泣き声をあげて、首を持ち上げたのです。私達にはどうすることもできず、子犬をブリーダーさんと獣医さんに任せて帰ることになりました。

その晩は眠ることできず、翌日は仕事を休んでいると、昼頃ブリーダーさんから、子犬が先ほど息を引き取ったとの電話が入りました。パパも仕事を休んでいたので、「死んじゃったって。」と告げると、みるみるパパの目には大粒の涙が浮かび上がりました。それを見て私も我慢できずに、2人で一日中泣いていました。これは私達夫婦にとって、忘れられない最もつらい経験の一つです。

そこで教訓3として、
子犬を購入するときは、少なくとも1回目のワクチンが終わってから2週間くらい経った子であること。

教訓4として
見た目より持ったときにずっしりくるくらいの、ころころとよく太った元気の良い子犬を選ぶこと。


教訓5
子犬を薦められても、ピンとこないときには、断る勇気を持つ事。

教訓6
獣医さんは、地域のかかりつけの他に、大きな設備の整った評判の良い病院に、インフォームドコンセントをお願いできるようにしておくことを、是非お勧めします。

そのブリーダーさんとは、ワン子が死んでしまったときの約束を交わしていなかったため、後日問題が発生しました。私達はあまりの辛さから、もうコーギーを飼う気持ちは無くなっていましたが、ブリーダーさんは返金に応じてくれませんでした。代わりに良く似た子が残っているからその子をと言われ、最初の子が死んでから1ヵ月後に、死んだ子の姉妹の子を引き取りに行きました。

しかし、その子は死んだ子とは全く似ていませんでした。その姉妹の子も、やはり頭がよく、直ぐにしつけも入り、いたずらをすることもなかったのですが、顔をみるたびに死んでしまった子を思い出してしまう私達夫婦は、結局その子を手放すことにしました。たまたま、地方に住んでいる叔母の家のワン子と猫ちゃんが老衰で死んでしまい、寂しがっていた叔母は、喜んで、その子を引き取ってくれました。パパはその子を空港に送っていき、手続きのカウンターでは、目に一杯涙を溜めていましたが、家へ帰ってきて、とうとうボロボロ泣いてしまいました。でも、叔母の家の子になったワン子はとっても元気で、広い庭のある田舎の家で、皆に愛されて幸せ一杯に暮らしています。


教訓7
子犬を購入するときには、病気になった時、最悪死んでしまったときの条件を確認しておく。

以上のような経験から、家に来た初めてのパピヨン、利プリは、何の問題もなく、全てをクリアしたのでした。

しかし、生後10ヶ月の時に問題が起こったのです。

利プリをワン子の一杯いるテーマパークに連れて行ったときのことでした。そこで貸し出され、若い女性の一群とパーク内を散歩していたゴールデンレトリバー軍団が、利プリを見て興奮し、女性を引きずって走り寄ってきたのでした。その女性の一群は、大型犬を扱ったことがなく、強く引っ張られてリードを離してしまったのです。

5頭もの大型犬にいきなりグルリと囲まれた利プリは、始めはどうしてよいかわからず、少しおろおろしていたのですが、気丈な彼女は突然驚くぐらいけたたましくゴールデン軍団に吠えかかりました。すると、ゴールデンの軍団も負けじと全員で吠え、パーク内は大合唱です。その女性たちは周りでおろおろするばかりで、係員もいませんでした。利プリを抱き上げ、パパがゴールデンの前に立ちふさがることで事なきを得ましたが、利プリはそれ以来、筋金入りの犬嫌いになってしましました。

そこで教訓8
ワン子には心理的トラウマを与えないように注意し、特に子供の内には怖い思いをさせないこと。

今でも利プリの犬嫌いは健在で、特に茶色の大型犬を見ると、遠くからでも攻撃態勢に入ってしまいます。あまり激しく吠えるので、日に日に利プリとの散歩が苦痛になり、仕方なく1歳と3ヶ月の時に出張訓練士を頼みました。しかし、私達は訓練士に関して素人であったため、きちんとした団体の公認の資格があることも知らず、何も確認せず、見た目だけで(ソフトな物腰とやわらかい口調)、その訓練士さんに週2回の訓練をお願いしてしまったのです。

おかしいと思い始めたのは訓練を始めて3ヶ月くらい経った頃からでした。利プリは良くなるどころか、ますますひどく吠えるようになっていくのでした。(利プリの名誉のためお断りしておきますが、家では何でもできて、よく言うことを聞く良い子なのです。)

利プリは訓練を始める前から、座れ、伏せ、待て、ハウスが完璧にできていました。家の中では、「待て」と言われれば、30〜40分はじっと待っていられたのです。ところが3ヶ月経っても、5ヶ月訓練しても、それ以上には何の進歩もないのです。ある日パパが、訓練士と利プリを町で見かけました。近くの公園で訓練しているはずの訓練士と利プリが、街中をのんびり散歩していたというのです。おまけに訓練士は携帯で誰かと何か話しをして夢中になっており、パパに全く気がつかなかったというのです。その1〜2週間後には、訓練士から仕事中の私の携帯に電話が入り、利プリが「猫」に噛まれ、怪我をしたと言うのです。仕事を放り出し駆けつけてみると、利プリはのら猫に噛まれ、トレードマークの耳が血だらけでした。私は大急ぎで車を出し利プリを動物病院に運びました。幸い、傷は浅く、噛んだ猫に特別な病気でもなければ大丈夫だろうと言われましたが、訓練士に対する憤りをこらえるのに苦労しました。

何故噛まれることになったのか理由を尋ねると、ノーリードで訓練しているとき(道路の横の歩道ですよ!)突然猫が飛び出してきて鉢合わせとなり噛まれたとの説明を受けました。その説明にはどうしても納得できませんでしたが、傷も浅かったため、それ以上聞くことをやめてしましました。しかし、後日、自称訓練士は、その野良猫事件のあった日の訓練費用まで請求してきたのです。その日は、20分程度しか訓練しておらず、しかも猫に噛まれ、病院で治療まで受けているのに、正規の時間・料金を平然と請求してきたのでした。このことが決定的となり、私達はこの訓練士に対する不信感を募らせたのです。

そこで教訓9
訓練士や訓練所にワン子の訓練をお願いする場合には、どのような資格をもっているのか、どのくらいの期間と費用で、どの程度まで訓練できるのか、訓練中に事故などがあった場合の保証等、きちんとした契約書を作成することをお勧めいたします。

そして、この話しにはとんでもない続きがあります。この時点で勇気を持って、きっぱりと訓練を断れば良かったのですが、交配までという約束があり、発情まであと2週間くらいということも手伝って、請求書の件は我慢してしましました。しかし、この自称訓練士は、それだけではすまなかったのです。

発情がきて、お婿さんのオーナーさんに連絡を取ろうとしたら、その訓練士は全部自分がやるので任せてくださいと言い出したのです。訓練士曰く、2回がけで、その2回とも自分が利プリを預かって、責任をもって2日間お婿さんのところへ通う、神経質なワンちゃんはオーナーさんが来ると交配しなくなってしまう可能性があるから、一緒にこない方がいいといったのです。初めての交配で、何もよくわからなかったため、その時は、そんなものなのかなと思ったくらいでした。交配は無事に終わり、お相手のオーナーさんから交配証明書と写真を頂き、後日、自称訓練士は2日間の経費等を請求してきました。

それから約2ヶ月、子パピが3頭無事に生まれ、あまりの嬉しさから私は直接お婿さんのワンちゃんのオーナーさんに、無事に生まれたご報告をしようと思い、連絡を取ったのですが、そこで聞いた話は信じられないような内容のものでした。確かに利プリはそのワンちゃんと交配したのですが、1回しかしていないということでした。それに利プリのオーナーさんは6人で見にきたと教えられたのです。私は始めお相手のオーナーさんが言っていることが理解できず、途方にくれました。1回しか交配していない?・・でもあの訓練士は2日間利プリをつれて出かけたし、2回分の費用と手数料を請求してきた・・・・。利プリのオーナーが6人で交配を見学に行った?・・・でも私もパパも行っていない。混乱した私は訓練士に電話をかけ、事情を問いただしたのです。その自称訓練士の話しはあまりに図々しく、あきれ返るものでした。

見学の6人というのは、その訓練所のお客で、外国チャンピオン犬を見てみたいという人間を募って見学コースを設け、見学に行った。1日目はアポが取れていなかったため、ドライブして時間を潰した。訓練所のアシスタントを利プリのオーナーと偽って、お相手の家に一緒に行った。・・といった内容でした。つまり一挙両得を狙い、利用されたのでした。それを聞いた私は激怒し、今でもそのときの怒りは忘れていません。

教訓10
ワン子が大好きな人間は、犬に携わっている人を無意識に信用しがちですが、中にはこのように犬を愛する人の気持ちに付け込んで、金銭を搾取しようとする人間もいます。とても残念なことです。大事な愛犬を人に任せなければならない時には、外見や言葉に惑わされることなく、その人となりをきちんと判断したいものですね。

どのような躾でも、お手入れでも、やはり自分自身で何でもできるように日々努力を重ねなければと、これまでの経験から固く誓う今日この頃です。


人間と同様、ワン子にも様々な犬種、様々な特性、性格があります。自分にあったワン子を見つけることは、いろいろな悲劇を無くす上でもよく考えなくてはならないことだと思います。パピヨンは愛玩犬で非常に飼いやすい犬種ですが、唯の愛玩犬ではありません。パピヨンはとても頭がよく、運動神経の発達した犬種で、丈夫です。個体差はありますが、驚くくらいのジャンプ力と、走る速さは小型犬では相当上位に入ると思います。アジリティ−で優勝している子もいるくらいです。しかし、先天性疾患を持った子もおりますので、アフターケアや購入後の飼育相談にものってくれるような、きちんとしたブリーダーさんから、自分の目で見て、触って、納得できる子犬を譲っていただくことをお勧めいたします。